だんじりと警察の意外な関係

青年団や保存会などで、祭りの実務にあたってる人なら常識かもしれないが、ただ祭りや地車が好きなだけのライトなお祭り好きが、意外と知らないこと。

それは、

「だんじりを公道で動かすには、道路使用許可が必要」

だんじりに限らず、神輿や太鼓台や山車や曳山などでもそうですが。

確か祭り実施日の遅くとも1ヶ月くらい前には(大阪市杭全(くまた)のだんじりみたいに、道路を交通規制するような場合はもっと前から?)管轄の警察署へ行って道路使用許可申請を出して通らないと、公道でだんじりを動かせないのです。

毎年(もしくは2年に一度など、定期的に)行っている祭りの場合は比較的許可が下りやすく、祭りの実行部隊のほうでも以前からの実務要領が伝わっているので比較的問題はないそうです。

問題なのは「新規に祭りを開きたい」とか「今年は周年記念や入魂式だから例年より大規模にやりたい」とか「過去に途絶えた祭りを復活・再現したい」というような場合。
こういうケースでは警察もなかなか許可を出さないらしい。YOSAKOIソーランを最初に立ち上げたときの苦労は、道路使用許可申請という観点から見ても想像がつきそうです。

先日も愛媛県で、だんじりを動かして書類送検という事件がありましたが、直接的にはコロナの影響で規制されているからではなく、道路使用許可がないのにだんじりを動かしたのが問題。

中止ではなく曳行の「自粛」という形にして、動かす予定のある町は個別に道路使用許可を得た、岸和田のようなケースは完全に合法。

そして、東日本大震災後にこうした問題が相次いだそうですが、一度中止や規模縮小開催にしてしまうと、翌年以降、以前のような祭りをやるのが難しくなるのは、ひとつに警察等の許可の問題があるのだとか。(財政の問題・人手不足の問題などは今はいったんおいておきます)

元に戻そうと思っても、いったん中止や規模縮小したものが翌年以降の警察や行政との議論のベースになり、元に戻すのが「拡大」と受け取られ、交渉が難航することがあるそうです。

こうならないためには、日頃から警察や行政との関係を良好に保っておき、地域にとって祭りが必要不可欠で有益なものである、ということを訴え続ける必要があると言えるでしょう。

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