大阪~沖縄フェリーが廃止と聞き大阪南港へ行ってみた。

FBのお友達が、大阪沖縄のフェリーが廃止されるというのを話題にしていたのを目にする。本当ならお名残乗船したいところ、片道2泊3日の時間がとれないので、せめて大阪南港で見送りをしに行くことにした。

沖縄タイムスの記事より

 マルエーフェリー(鹿児島県)は10月から、那覇と奄美大島、関西を結ぶ旅客フェリー「琉球エキスプレス」(6266トン、定員240人)を運休する。かつては関西在住の沖縄・奄美出身者が帰省に利用していたが、近年、格安航空会社(LCC)の台頭などで利用客数が低迷。ただ、貨物量は増加傾向のため、今後は貨物専用船に切り替えて運航する。

 琉球エキスプレスは1973年に那覇-大阪航路を開設。記録がある過去20年間でピークだった98年度は、約2万7千人が利用していたが、フェリー運賃より安くて速いLCCなどに利用客を奪われ苦戦。2016年度は3割以下の約7700人まで減少した。

 10月5日の那覇発、9日の那覇着が最後となる。

大阪・神戸からだと、10月7日発の那覇行がラストランならぬラストクルーズになる。

大阪~沖縄の航路といえば、私が若かった頃には関西汽船・有村産業・琉球海運・大島運輸と4社が競争していたような花形航路。2等で飛行機大人普通運賃の約半額だったので、離島の地域住民をはじめ、若者など利用者も多かった。
今も2等運賃は1万9330円と、JALやANAの大人普通運賃(片道約4万円)のおよそ半額だが、LCCや、フリープランツアーだと日によっては片道あたり1万円以下、しかも大阪~那覇が片道わずか2時間で着く。今では、複数の航空会社を一括して検索できる格安航空券モールなるものもある。
よほど船旅が好きか、諸事情で飛行機に乗れない人か、トラック・マイカー・バイク・自転車を積み込んで旅行したいというのでない限り、普通は飛行機使いますわな。

今では、有村産業は会社ごと消滅、関西汽船は吸収合併、琉球海運は貨物便のみの運行となり、沖縄行きの旅客便は現在、マルエーフェリーだけとなった。そのマルエーフェリーがこの10月10日をもって旅客フェリー廃止に。
翌日からはRORO型貨物船(人が乗れないフェリーのようなもの)で、自動車やバイクなどは「貨物扱い」として船に乗せて旅客は飛行機で高飛びすることはできるが、人が乗って沖縄へ行くことは出来なくなる。
飛行機嫌いの人は、これからは鹿児島から奄美経由の沖縄行きフェリーに乗ることになる。

そこで、旅情を味わいに、大阪南港へ。

ニュートラム(大阪市営地下鉄)のフェリーターミナル駅を降りたら、こんな掲示が。
送迎バス? フェリーターミナルからは乗れないの??

この掲示ももうすぐ見られなくなるだろうなあ。

フェリーターミナルからフェリーを見る。
手前の船が新門司行き、奥に小さくALineと書かれている船が、沖縄行きの船だが・・・

窓口は1Fにあるというので行ってみた。
でもこちらは、新門司行きと東予行きの窓口。

沖縄行きの窓口は、こんなにちっこい。
「さつまいもを持ち帰らないで」という植物検疫のポスターがいかにも沖縄らしい。

乗船手続きに並ぶひとたち。
運航日の16時~17時の間しか開かない窓口。

乗客の多くはドライバーで、人間だけで乗ってる人は、奄美大島へ行くであろう親子連れか、バックパッカーらしい旅人くらいのものだった。

船を見送りに行きたいのですがというと、こんな紙を渡される。

車ではない徒歩の乗客だと、ターミナルビル前から乗り場まで送迎バスが出る。

が、そうでなければ、自家用車や徒歩やタクシーなどで乗り場まで行く必要がある。

歩きました。ターミナルビルから30分以上かけて(笑)

かもめ大橋前のローソンの角を曲がると、一気に貨物船のエリアに。本当にここから乗れるのだろうかと思わせる雰囲気満点。

ローソン角からさらに10分ほど歩いて、ようやく沖縄行きの船が見えてくる。

手前のなにやら看板が出てるところが、「関係者以外立入禁止」の看板である。荷役作業がフルピッチで行われていて、うっかり中に入ったら危なさそう。
旅客船のターミナルというより、まさに貨物船のふ頭であり、旅客は貨物船に便乗させてもらっているような感覚だ。

立入禁止看板前のぎりぎりまで近づいて撮ったものが、こちら。

出航は18時30分発、もうあたりが真っ暗になってくるので出港のシーンを見送るのはあきらめて帰ることに。10分ほど歩いて、かもめ大橋角のローソン前に市バスのバス停があったので、そこからバスでフェリーターミナル駅へと戻ることに。

船を見送りに行きたい人は、神戸港(六甲アイランド)のほうがおすすめです。フェリー乗り場の近くまで一般のバスが出てるし、明るいうちに出港するので、見応えがあると思います。




私も若い頃、大阪南港から石垣島まで、有村産業の飛龍21というフェリーに乗ったのを覚えている。
大阪南港を夜中の0時すぎに出航、翌日の朝(実質的に翌々日の朝)に那覇に到着、いったん那覇で全員降ろされて時間をつぶしその夜にまた船に乗り込み、石垣島へはさらに翌朝という長い航海。
レストランはそこそこ豪華らしいが、紀伊水道を出たらすごく揺れるので、到着寸前まで船酔いで動けなかった記憶がある。船旅を楽しむという感じではなかった。
大分行きや東予行きや新門司行きのフェリーがしぶとく残っているのは、高速バスより安くて、楽で、しかも瀬戸内海を通るからあまり揺れないというのも大きいと思う。

それ以降、船で沖縄行きたいとは思わなくなった。それはLCCに勝てないだろうと我ながら思った。
今では国内線の比較・購入サイトの決定版【格安航空券モール】があって、搭乗日などが決まれば、JAL、ANA、LCCなど一括検索で選んで予約ができるようになっている。これでは船はかなわない。


このポスターも貼り替えですね。

PS:こちらに神戸港の様子をアップしました。あわせてご覧ください。

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