人手不足の祭りを救う方法(家の光10月号に掲載)

ご報告が遅くなりましたが、JAグループ(農協)の機関誌「家の光」10月号にロングインタビューをしていただきました。関係者のみなさま、ありがとうございます。

今回のインタビューでは、「過疎の村で祭りに人がこなくなった」「神輿の担ぎ手がいなくなりトラックに神輿を乗せている」といったことについて、いろんな祭りを見てきた経験からお話させていただきました。
祭りの人手不足対策については、実は今回の家の光さん以外にも多方面からインタビューや講演依頼などが来ており、深刻な問題だという思いを新たにしております。

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今回のインタビュー内容、簡潔に言えば、

 「外部から担ぎ手・曳き手に来てもらおう」
 「ただ外部の人におまかせにせず、地元の人が指導し祭りの本質をしっかり伝える」
 「そのためには、地元の人も祭りのことをもっと勉強して、魅力を再発見しよう」

ということですが、今回のインタビューではお話できなかったこととして、こんなこともあげたいと思います。

1.人が来やすい環境整備をする
多くの観光客に来てもらおうとするなら、「やど」「あし」「めし」の整備は欠かせないもの。宿泊施設が少ない祭り、最寄り駅から公共交通機関がなく自家用車かタクシーが必要な祭り、露天商の屋台しかなく食べるところに苦労する祭りといった、我々が「行きたくても行けない祭り」というのは非常に多い。

常設の宿を作るのが難しければ、農家民泊を受け入れる。
農家民泊で祭りのごちそうがでる。
露天商以外にも地元の名産品をつかった屋台や夜店が出る。
祭りの日だけでも最寄りの鉄道駅から祭り見物に便利な時間帯でシャトルバスを運行する。
祭りの本質に影響しない程度に、有料観覧エリアを設置したり、観覧できるスペースを広く取る。

観覧エリアの設置以外は、そんなにお金もかからず、地元の人の決意と仕組み作りでうまくいく可能性が高いでしょう。祭り本体が魅力的であれば、ものすごく人気のプログラムになりそうな予感がします。

2.参加体験型プログラムをつくる
神輿だと飛び入り参加は危険で難しいかもしれないが、踊り・綱引き・裸祭りなどだと観光客の飛び入り参加を受け付けている祭りも多い。
危険な祭りや習熟に時間がかかる祭りの場合、無理に体験型にせず、稽古風景や準備の裏側を特別に見せるバックステージツアーなども面白いでしょう。

3.そもそも地元の産業を育成し、地元で食えるようにする
いくら魅力的な祭りでも、それを支える費用は基本的に、地元の働きからしか出てこないものです。だから祭りを盛んにしようと思えば、本業の農業なり漁業なりが盛んにならないと、お金の出しようがない=費用面で破綻するということになります。
地元で働き口がなければ、そもそも祭りの担い手も都会へ出て働き、地元に居られないことになりますしね。祭りの人手不足は、そこがもっとも大きい理由だと思われます。

「家の光」は日本でも有数の発行部数を誇る雑誌ですが、書店ではほとんど販売しておらず、農協・JAバンク・およびネット通販でのみ購入可能な雑誌です。農協やJAバンク店頭では年間購読しか受け付けていない可能性が高いので、1部だけお求めの場合は通販でどうぞ。
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