- 2016-7-30
- 祭り見物・体験談

青年団が今の時代に合わないことをやっているから。
もっといえば、応援団や体育会よりも強権的なことを後輩にしているから。
一部にはこんな話もあるらしい。(本記事はカバー写真の町とは関係ありません)
岸和田に住んでる高校生です だんじりの青年団をやめると言ったんですが・・・
(ヤフー知恵袋より)
いくら祭りの世界は無礼講だとか、今の時代にあわない不条理な部分があってもいいとはいえ、芸の披露を無理強いしたり、未成年の人に酒を無理矢理すすめたりするのは明らかにまずい。
ひとは「不快なことを避け快楽を求める」生き物である以上、耐えるのメリットなき不条理からは、自然と逃げられて当然。
この質問主の場合、青年団に加入したあと脱退を申し出たから問題になったけど、岸和田では、性格的にどうしても参加したくない人や、転居予定・お受験・仕事などの関係で、地元に住んでいても子供会を卒業したら始めから青年団に入らないという選択肢をとることも可能です。
祭りに参加できないというデメリットはありますが、それで町の日常生活で村八分になることはなく、普段の青年団活動は「拘束時間」がけっこう長いので、団の雰囲気がイヤだという人には青年団に入らないというのは大きなメリットです。進学校であったり、岸和田市外でのサラリーマン勤務だと、青年団との両立はムリだという説もあります。
祭りの組織というのは元々、実際の地域社会や職業集団でやっていくための訓練という側面もありました。特に岸和田の旧市街は、もともと漁師町であり、漁師もだんじりも、命がけで力も必要なので、どうしても応援団、体育会系の組織にならざるを得ないところがあるかと思います。
今の商業社会、サラリーマン社会では、昔以上に人づきあいとか、コミュニケーションスキルとかが要求される社会なので、先輩、同期、後輩と円滑な人間関係を構築するすべを磨くのはいい訓練になるかと思います。
できれば私も、引っ越して逃げる以外の解決・回避すべき術は(私自身は岸和田出身ではありませんが)、青年団くらいの年頃に知っておきたかったです。
ただ、今はその企業や団体ですら法令遵守がつよく求められる時代。暴力や、未成年の飲酒など、いかなる理由があっても認められないし、今の青年団的ルールを実社会に持ち込んだら、かえって大変なことになりかねないでしょう。
岸和田の祭人たち、今から思えば笑顔が少なく、みんなカリカリした険しい表情を見せているのは、祭り自体の危険性や大変さもさることながら、普段の祭り活動が厳しすぎるという側面があるのかもしれません。
※カバー写真はイメージであり、記事内容と実際の町とは関係ありません。
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